愛知県 舩本典子
今日は初めて由紀乃さんのバッハを聴かせていただきました。中日新聞でおっしゃっていた通り、由紀乃さんの演奏は、ここをこうしようとか、こうしなければ、というものではなく、弾かずして奏でる、ただそこにあるのは音楽のみということを本当にしみじみと感じた演奏でした。音がきれ、指がよく動く、声部がそれぞれ本当にすばらしく艶そうされている、表情がすばらしいなど、もうそのすべては とおり越してただ、音楽がそこに存在する、由紀乃さんが弾いているように思えない、ピアノと一体化した光景が深く胸にきざまれました。アンコールで、アリアをお弾きになって、バッハの世界をつらぬき通したこともすばらしかったです。以前、誌上でアンコールの曲目がのっていて、由紀乃さんの、聴衆に対するお気持ちが否定されたようで悲しかったです。